@タイヤの性能と特性を知る いくらブレーキパッドやキャリパーを強化しようとタイヤの性能を超えたブレーキ力は発揮することは不可能です。では、タイヤの性能を最大限に利用するに はどうしたらよのでしょうか? グリップ力はタイヤが路面に押し付けられる力に比例関係にあります。つまりフロントタイヤに荷重が かかっ ている状態であれば、グリップが増し大きな制動力を発揮できる わけです。逆にフロントタイヤに荷重がかかっていない状態でブレーキをガツンと踏めば簡単にロックしてしまいます。
加速状態からすぐにフルブレーキングするのではなく、アクセルオフなどで一瞬フロントに荷重をかけてからブレーキングを行うことでタイヤの性能を最大限 に利用することができます。 |
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Aロックとコントロール ブレーキングでの最大制動力はタイヤがロックする寸前の状態で得ることができます。ブレーキをコントロールするには、ぐっと強く(ロックするようなガツ ンとではなく)ブレーキを踏んで、あとはブレーキを緩めてコントロールするよ うにします。なぜなら、じわじわ踏んでいった状態でタイヤがロックした場合には、制動力を高めようとさらににブレーキを踏み込んでしまうことがあるからで す。こうなるとロック状態から回復できずに、車を制御できなくなります。 ブレーキをコントロールすにはブレーキパッドも重要になります。基材の種類としては大きく分けるとノンアスベストとメタル系の2種類になります。ノンア スベストはタッチが柔らかくコントロール性が良いです。これに対してメタル系はタッチが硬くコントロール性もあまりよくなく、ローターへの攻撃性も高いの です が、効きと耐久性に優れています。 私はコントロール性を重視してENDLESSのNA- Rを使用しています。適正温度が高く、安定した効きを発揮するので満足しています。ブレーキラインもAPPのステンメッシュにしてコントロール性を高めています。 |
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Bヒールアンドトゥ マニュアル車に乗っているのなら是非マスターしたいスポーツ走行の基本技術です。 ヒールアンドトゥがしたいがためにマニュアル車を選択する人も多いでしょう。 なぜヒールアンドトゥが必要なのか? コーナー手前でブレーキングとシフトダウンを同時に行った場合、クラッチをつないだ瞬間には一気にエンジンブレーキが掛かります。するとタイヤは一瞬 ロック状態になりコントロールを失ってしまいますし、ミッションやクラッチへの負荷が大きくなりトラブルの原因となります。そうならないように、クラッチ をつなぐときに適正なエンジン回転数に上げてスムーズな減速を行います。 ヒールアンドトゥのやり方 @右足でブレーキペダルを踏み速度を落とす A左足でクラッチを切ってシフトダウンをする Bブレーキを踏んだまま、右足のかかと側面でアクセルをあおりエンジンの回転数を上げる Cクラッチをつなぐ 重要なのは必要な回転数に正確に上げるようにすることです。回転数の上げが 不十分だとタイヤがロックしがちになり、逆に回転数を上げすぎると、クラッチをつないだ瞬間に加速することになってしまい、どちらの場合もブレーキングを 弱めて車がギクシャクします。 また、ヒールアンドトゥの操作中にはブレーキ踏力を一定にするようにしま しょう。 では、回転数はいくつに合わせたらいいのか? @変速比で合わせる 変速比から回転数を求めてみましょう。 プレリュードBB4の変速比はこのようになっています
例えば、2速と3速の変速比が1.950と1.360なので、シフトダウンのときには1.950/1.360≒1.43倍にすればよいことが分かります。 つまり3速4,000回転のときは2速5,720回転になります。 全てのギアを計算してみると
A車速で合わせる 車速から回転数を求めてみましょう。 エンジンの回転はトランスミッションへ伝わり(変速比で割る)、それからデフへ伝わり(減速比で割る)、その回転がタイヤの回転数となります。車速はタイ ヤの回転数にタイヤの円周の長さを掛ければ求められるはずです。 このことから、車速からエンジンの回転数を求める計算は 回転数(rpm)=車速(km/h)×1000÷60×変速比×減速比÷(タイヤの直径×π) となります([×1000]は Km→m、[÷60]はh→min への変換)。 例として、車速80Kmで2速にシフトダウンした場合の回転数を計算してみます。 タイヤの直径を0.6mとし、BB4の減速比は4.266なので 回転数(rpm)=80(km/h)×1000/60×1.950×4.266÷(0.6×π)=5884(rpm) となります。 計算で車速から回転数を求めることができましたが、運転中に計算するのは厳しいです。 以上より結言として 回転数の合わせ方は体で覚える! |